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えーと、バルアシェ現パラ。
別れ話。
別れ話だったら。


+ + +

これも日記だよ。
私に起こったのは例によって物理的な事象だけですけども、アーシェの疑問は私の疑問。
パソコン操作に限っては無理じゃないのかも知れないけど私は知りません。
もし可能なのなら是非やり方を教えて欲しい!(あの画面出る度に焦ってる女。)

+ + +

「やべ。死んだ」
呟きに、視線を上げる。
バルフレアが、ノートパソコンのタッチパッドに指を滑らせながら溜息を吐いた。
「どうしたの」
「フリーズ」
スクロールで止まるんだよな。愚痴をこぼして、バルフレアは電源ボタンに手を伸ばす。
「切っていいの?」
驚いて、声を上げた。パソコンの電源は、いきなり落としてはいけないと聞いたことがある。
「キーボードで何か入力すれば、再起動出来るんじゃなかった?」
「そういう小手先の操作じゃ効かないところまで行ってんの」
根本から断たないと。
長い指が、全く逡巡なく電源ボタンを押す。
5秒。
画面がブラックアウトした。
と思いきや、すぐにパソコンメーカーのロゴが浮かび上がる。強制的に電源を落としたので、セーフモードで起動するか否かの選択肢が表示された。
「こういう画面って、ドキドキする」
呟く。バルフレアがこちらをちらりと見た。
「何で」
「カウントダウンしてるでしょ」
27。
26。
25。
画面中央で、数字が減っていく。ゼロになるまで何も操作をしなければ、パソコンは通常モードで起動する。
「こちらが選ぶまで、待っていてくれればいいのに。どうして勝手に起動するの?」
「時間の節約じゃねぇ?」
大した問題じゃねぇってことだろ。
21。
20。
19。
「何行も文章があるのよ。きちんと読んで、理解してから操作したいじゃない」
「そのための30秒だろ」
「足りないわ」
バルフレアが肩を竦め、エンターキーに手を伸ばす。
その手を、引き留めた。
「何だよ」
「止まらないの?」
バルフレアが胡乱げに眉を顰める。
「……何が」
「カウントダウン。止められないの?」
14。
13。
12。
小手先の操作じゃ。
8。
7。
6。
根本から断たないと。



「無理」

言った指が、カウントゼロを待たずに、エンターキーを押した。
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