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とある雨の日、男子高校生が歩いてたんです。
赤いさくらんぼの傘を差して。
えぇ!?と思ってよく見たら、男の子の隣に女の子がいました。
仲良しカップルさんでした。
可愛いなぁ、と思ったので書いてみました。
■内容■
バルフレア×アーシェ、現代パラレル、ある雨の日の一コマ。
付き合い始めて間もない頃。
好きだ私も付き合おう喜んでをすっ飛ばしてる人たちなので、付き合い始めてから色々ドキドキしてればいいと思いました。
赤いさくらんぼの傘を差して。
えぇ!?と思ってよく見たら、男の子の隣に女の子がいました。
仲良しカップルさんでした。
可愛いなぁ、と思ったので書いてみました。
■内容■
バルフレア×アーシェ、現代パラレル、ある雨の日の一コマ。
付き合い始めて間もない頃。
好きだ私も付き合おう喜んでをすっ飛ばしてる人たちなので、付き合い始めてから色々ドキドキしてればいいと思いました。
+ + +
ひどい降りだ。
急いで駆け込んだ学内の図書館の入り口、ほっと息を吐きながら傘立てに傘を挿したその瞬間、名前を呼ばれた。
「アーシェ」
声のした方に首を巡らせる。図書館の奥からこちらに向かって歩いてくる長身が見えた。
「バルフレア」
「珍しいな、こんなところで会うとは。何か調べ物か?」
「課題の資料を探しに。あなたは戻るの?」
「ちょっとな」
言いかけたバルフレアが、服の雫を払うアーシェの仕草に気付いた。
「雨か?」
「夕立みたい。急に降り出したの」
言いながら、入口を振り返る。ちょうど扉が開いて、ざあああ、と雨の音が聞こえた。
「結構な降りだな」
「昼間はあんなに晴れていたのにね。あなた、傘はあるの?」
「いや。朝からずっと籠もってたから」
ちらりと、バルフレアがアーシェを見下ろす。
「あんた、傘、あるよな」
訊かれて、アーシェはひとつ、瞬いた。
「あるけど」
傘立てに挿したばかりの傘を、もう一度手に取る。それを差し出しながら、アーシェは胡乱げにバルフレアを見上げた。
「……あなたが差すの?」
晴雨両用のそれは、レースの装飾の付いた、華奢な印象の白い傘だ。
確認するように首を傾げたアーシェに、しかし、バルフレアは事も無げに答えた。
「あぁ、問題ない」
言うなりバルフレアが掴んだのは、傘ではなくアーシェの肩。
「──え?」
面食らうアーシェの肩を抱いてポーチに出、バルフレアは傘を開いた。そして、雨の中へと踏み出す。
アーシェを連れたまま。
「ちょっと、何?」
やっと逃れた驟雨の中に逆戻りさせられ、アーシェは眉をつり上げた。バルフレアが、何を言ってるとでも言いたげな視線を寄越す。
「俺が一人でこれを差してたら、不審者と思われかねないだろ」
「だから差すの、と訊いたじゃないの」
元々小振りな傘だ、二人を覆うのには無理がある。見る間に濡れ始めた腕を気にしながらバルフレアを睨み上げると、
「ところがな」
長い指がアーシェの腕の雫を払って、もう一度、肩を包み込んだ。
「あんたが隣にいれば、俺は不審者から一転、美女と傘を共有する幸せな男になれるってわけだ」
「あなたのつまらないプライドを守るために私を巻き込むのはやめて頂戴」
機嫌を取ろうとしたのだろう行動と台詞を一蹴して、不機嫌に顔を顰める。と、その顔を、バルフレアが苦笑しながら覗き込んできた。
「何よ」
「分かれよ」
「だから、何?」
じろり、と睨み返す。が、バルフレアは意に介した風でもなく、アーシェの耳許でそっと囁いた。
「一緒にいたいんだ」
思わず、バルフレアを見上げた。
緑がかった榛色の瞳が、アーシェを見つめてに、と笑う。
「──あんた、割と、ストレートに口説かれると弱いタイプ?」
「……!」
頬が熱くなったのが分かった。
反論しようと口を開きかけたが、それをする前に、バルフレアが笑いながらアーシェの頭を抱き寄せた。
ひどい降りだ。
急いで駆け込んだ学内の図書館の入り口、ほっと息を吐きながら傘立てに傘を挿したその瞬間、名前を呼ばれた。
「アーシェ」
声のした方に首を巡らせる。図書館の奥からこちらに向かって歩いてくる長身が見えた。
「バルフレア」
「珍しいな、こんなところで会うとは。何か調べ物か?」
「課題の資料を探しに。あなたは戻るの?」
「ちょっとな」
言いかけたバルフレアが、服の雫を払うアーシェの仕草に気付いた。
「雨か?」
「夕立みたい。急に降り出したの」
言いながら、入口を振り返る。ちょうど扉が開いて、ざあああ、と雨の音が聞こえた。
「結構な降りだな」
「昼間はあんなに晴れていたのにね。あなた、傘はあるの?」
「いや。朝からずっと籠もってたから」
ちらりと、バルフレアがアーシェを見下ろす。
「あんた、傘、あるよな」
訊かれて、アーシェはひとつ、瞬いた。
「あるけど」
傘立てに挿したばかりの傘を、もう一度手に取る。それを差し出しながら、アーシェは胡乱げにバルフレアを見上げた。
「……あなたが差すの?」
晴雨両用のそれは、レースの装飾の付いた、華奢な印象の白い傘だ。
確認するように首を傾げたアーシェに、しかし、バルフレアは事も無げに答えた。
「あぁ、問題ない」
言うなりバルフレアが掴んだのは、傘ではなくアーシェの肩。
「──え?」
面食らうアーシェの肩を抱いてポーチに出、バルフレアは傘を開いた。そして、雨の中へと踏み出す。
アーシェを連れたまま。
「ちょっと、何?」
やっと逃れた驟雨の中に逆戻りさせられ、アーシェは眉をつり上げた。バルフレアが、何を言ってるとでも言いたげな視線を寄越す。
「俺が一人でこれを差してたら、不審者と思われかねないだろ」
「だから差すの、と訊いたじゃないの」
元々小振りな傘だ、二人を覆うのには無理がある。見る間に濡れ始めた腕を気にしながらバルフレアを睨み上げると、
「ところがな」
長い指がアーシェの腕の雫を払って、もう一度、肩を包み込んだ。
「あんたが隣にいれば、俺は不審者から一転、美女と傘を共有する幸せな男になれるってわけだ」
「あなたのつまらないプライドを守るために私を巻き込むのはやめて頂戴」
機嫌を取ろうとしたのだろう行動と台詞を一蹴して、不機嫌に顔を顰める。と、その顔を、バルフレアが苦笑しながら覗き込んできた。
「何よ」
「分かれよ」
「だから、何?」
じろり、と睨み返す。が、バルフレアは意に介した風でもなく、アーシェの耳許でそっと囁いた。
「一緒にいたいんだ」
思わず、バルフレアを見上げた。
緑がかった榛色の瞳が、アーシェを見つめてに、と笑う。
「──あんた、割と、ストレートに口説かれると弱いタイプ?」
「……!」
頬が熱くなったのが分かった。
反論しようと口を開きかけたが、それをする前に、バルフレアが笑いながらアーシェの頭を抱き寄せた。
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