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当サイトからリンクさせて頂いております、non-Sugar様の拍手SSにいたく萌えまして。
「あのネタでもう一本書いたらいい!」と口走ったら、「むしろ書いて下さい」と返されました。
調子に乗って一生懸命考えたんですがどうもうまくまとまらず、どうしたものかなと思っていたら先様の本日の日記にまたネタが落ちてたので、これ幸いといそいそ拾ってきて書きました。
多分怒られないと信じてる。
■内容■
バルアシェ現代パラレル。
お題:口紅付けて、ニヤリ笑ってバルフレア
(※口紅を「塗ってる」んじゃなくて、あくまで「付いてる」んですよ。)
あと、non-Sugar様本日の日記の萌えポイントを一生懸命詰め込んでみた。
+ + +
ゴメン、口紅ネタではなくなったけどお題はクリアした。
微妙な出来ですが、てうさんに present for you.
「あのネタでもう一本書いたらいい!」と口走ったら、「むしろ書いて下さい」と返されました。
調子に乗って一生懸命考えたんですがどうもうまくまとまらず、どうしたものかなと思っていたら先様の本日の日記にまたネタが落ちてたので、これ幸いといそいそ拾ってきて書きました。
多分怒られないと信じてる。
■内容■
バルアシェ現代パラレル。
お題:口紅付けて、ニヤリ笑ってバルフレア
(※口紅を「塗ってる」んじゃなくて、あくまで「付いてる」んですよ。)
あと、non-Sugar様本日の日記の萌えポイントを一生懸命詰め込んでみた。
+ + +
ゴメン、口紅ネタではなくなったけどお題はクリアした。
微妙な出来ですが、てうさんに present for you.
+ + +
艶のあるチェリーレッドに彩られた唇。
綺麗に仕上がったのに満足して、アーシェは鏡の中の自分に微笑んだ。
彼の方も、そろそろ仕事を終えて出かける準備にかかれる頃だろうか。ソファに広げた化粧品を片付けながら、床のラグの上でノートパソコンに向かっているバルフレアを見やる。と、彼が、屈めていた上体を伸ばして自分の体を手のひらで探り始めた。
「……」
どうやら、まだ先は長いらしい。
軽く息を吐きながら見ていた先で、彼が、見つけた煙草を唇の端に咥えた。火は点けないまま、再びノートパソコンに向かう。彼は自分の前では煙草を吸わない。受動喫煙の方が害が大きいということを知っての行動だとしたら、殊勝なことだ、と思う。
「……美味しいの?」
大して興味もないそんなことを訊いたのは、単に手持ち無沙汰だったからだ。
熱のない質問に、残りの煙草をシャツの胸ポケットに収めた彼が、咥え煙草のままやはり冷めた答えを返す。
「別に」
「なら、吸わなければいいのに」
「美味いから吸ってるわけじゃない」
「じゃあ、どうして?」
美味しくもない物にわざわざお金を払ってリスクを上げる、その意味が分からない。
首を傾げたアーシェに、煙草を指に挟んで紫煙のように息を吐いた彼が、自明だと言わんばかりに即答した。
「精神安定剤」
「──そう」
「そ」
問答を切り上げ、再び煙草を唇で噛んで、彼が液晶モニタに意識を戻す。その横顔を少しの間眺めて、アーシェは彼の肩越しに手を伸ばした。
「何だよ」
仕事モードの時の彼は干渉を嫌う。鬱陶しそうに向けられた非難の目をけれど無視し、彼のシャツを手のひらで探って、触れた硬い感触を取り上げた。
「おい」
彼の手が伸びてくる。渡すまいと、手に入れた小さな箱を胸元に抱え込んで、アーシェは彼を見下ろした。
「私にも頂戴」
「あん?」
話の流れ上、禁煙しなさいとでも言われると思っていたのだろう。如何にも意外なことを言われたという風に目を眇めた彼の唇の端で、咥えたままの煙草が揺れた。
「……何言ってやがる、未成年」
呆れたような声と共に再度伸ばされた手を躱し、アーシェは彼を睨む。
「私にだって、精神の安定を図る権利はあるわ」
「──」
彼が、空を眺めて考えるような顔をした。少しの間の後、咥え煙草を離して、あぁ、と笑う。
「何だ。拗ねたのか」
看破されるための行為だったので、からかう口調にも唇を僅かに歪めるにとどめる。そのアーシェを目を細めて見やって、彼が煙草の箱を取り上げた。
「とにかく、これはやめとけ」
「何故?」
元通り胸ポケットに戻された小箱を一瞥して、アーシェは彼を軽く睨んだ。
健康上の理由から、なんて、自分のことを棚に上げた偽善を口にしたら鼻で笑ってやる。
そう思っていたのに、
「だって、お前」
彼の指から煙草が零れた。
緑がかった榛色が、近付いて。離れる。
「──せっかくの口紅が、落ちるぜ?」
に、と笑いながら。
彼は、ひどく説得力のない台詞を口にした。
艶のあるチェリーレッドに彩られた唇。
綺麗に仕上がったのに満足して、アーシェは鏡の中の自分に微笑んだ。
彼の方も、そろそろ仕事を終えて出かける準備にかかれる頃だろうか。ソファに広げた化粧品を片付けながら、床のラグの上でノートパソコンに向かっているバルフレアを見やる。と、彼が、屈めていた上体を伸ばして自分の体を手のひらで探り始めた。
「……」
どうやら、まだ先は長いらしい。
軽く息を吐きながら見ていた先で、彼が、見つけた煙草を唇の端に咥えた。火は点けないまま、再びノートパソコンに向かう。彼は自分の前では煙草を吸わない。受動喫煙の方が害が大きいということを知っての行動だとしたら、殊勝なことだ、と思う。
「……美味しいの?」
大して興味もないそんなことを訊いたのは、単に手持ち無沙汰だったからだ。
熱のない質問に、残りの煙草をシャツの胸ポケットに収めた彼が、咥え煙草のままやはり冷めた答えを返す。
「別に」
「なら、吸わなければいいのに」
「美味いから吸ってるわけじゃない」
「じゃあ、どうして?」
美味しくもない物にわざわざお金を払ってリスクを上げる、その意味が分からない。
首を傾げたアーシェに、煙草を指に挟んで紫煙のように息を吐いた彼が、自明だと言わんばかりに即答した。
「精神安定剤」
「──そう」
「そ」
問答を切り上げ、再び煙草を唇で噛んで、彼が液晶モニタに意識を戻す。その横顔を少しの間眺めて、アーシェは彼の肩越しに手を伸ばした。
「何だよ」
仕事モードの時の彼は干渉を嫌う。鬱陶しそうに向けられた非難の目をけれど無視し、彼のシャツを手のひらで探って、触れた硬い感触を取り上げた。
「おい」
彼の手が伸びてくる。渡すまいと、手に入れた小さな箱を胸元に抱え込んで、アーシェは彼を見下ろした。
「私にも頂戴」
「あん?」
話の流れ上、禁煙しなさいとでも言われると思っていたのだろう。如何にも意外なことを言われたという風に目を眇めた彼の唇の端で、咥えたままの煙草が揺れた。
「……何言ってやがる、未成年」
呆れたような声と共に再度伸ばされた手を躱し、アーシェは彼を睨む。
「私にだって、精神の安定を図る権利はあるわ」
「──」
彼が、空を眺めて考えるような顔をした。少しの間の後、咥え煙草を離して、あぁ、と笑う。
「何だ。拗ねたのか」
看破されるための行為だったので、からかう口調にも唇を僅かに歪めるにとどめる。そのアーシェを目を細めて見やって、彼が煙草の箱を取り上げた。
「とにかく、これはやめとけ」
「何故?」
元通り胸ポケットに戻された小箱を一瞥して、アーシェは彼を軽く睨んだ。
健康上の理由から、なんて、自分のことを棚に上げた偽善を口にしたら鼻で笑ってやる。
そう思っていたのに、
「だって、お前」
彼の指から煙草が零れた。
緑がかった榛色が、近付いて。離れる。
「──せっかくの口紅が、落ちるぜ?」
に、と笑いながら。
彼は、ひどく説得力のない台詞を口にした。
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