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本気でやりましたフィロバル。

だって、最速でリアクション頂いてしまっては……ていうか何も言われずともやる気満々でした。
その証拠に半日で書いた。萌えってスゴイ。


■内容■

バルネロ学園パラレルでフィロ×保健医(ぇ)(しかも保健医右?)
「どうしてお姉ちゃんなの?」と保健医に迫る妹フィロ。
13歳、難しいー!


+ + +

フィロはFF12本編時点で10歳らしいですよ。
年齢が違ってもいいの、パラレルだから。
性格が違ってもいいの、パラレルだから。

それは最早別人だ。


+ + +

あのね、誘惑までは行かなかったの……(明子姉さんのポーズで)(何を可愛子ぶってる)

+ + +


「ただいまー」
聞こえた声に、自室のベッドに寝転がり雑誌を読んでいたフィロは、その顔を上げた。
姉のパンネロだ。
広げた雑誌はそのままに、ベッドから下りて部屋を出る。
「ネロ姉、お帰りー……」
言いながら廊下を歩き、階段上から玄関を見下ろす。丁度靴を脱いで身を屈めていた姉の背後に立つ姿に気付いて、フィロはぴたりと足を止めた。
「コンバンハ」
フィロを見上げてに、と笑った唇が、どうも似合わない挨拶の言葉を口にする。
自分たち姉妹の通う学校、その高等部の保健医。そして、姉の恋人。
「……今晩は」
保健医に、フィロは同じ言葉を返した。
他の言葉を考える労力が惜しい。そんな思惑もないではなかったが、幸い今の場合、それは至極当然な返答だ。
「ネロ姉、先生、どうしたの?」
階段を下りて行きながら、保健医から視線を逸らして姉を見る。と、フィロを見返したその瞳が、何故だかきょとん、と見開かれた。
「お母さんが、たまには先生もお食事ご一緒にって言ってたでしょう? あれ、今日だったじゃない」
「え?」
姉の返答に、今度はフィロが目を丸くした。
「でもお母さん、さっきお父さんと出かけちゃったよ? 自治会の集まりとか何とか」
「えぇ?」
「お夕飯も、二人で適当に済ませなさいって」
ダイニングのテーブルにお金置いてあるよ、とそちらの方を指し示す。
「え、ちょっと、嘘……」
困惑したように呟いた姉が、不意に、はっと保健医を振り返った。
「先生すみません、うちの母ったら、本当そそっかしくて。せっかく来て頂いたのに」
あたふたと頭を下げる姉にふ、と笑いかけて、保健医は軽く肩を竦める。
「いいさ。お前らだけの方が気が楽だ」
「とにかく、すぐ何か作りますね。ちょっと冷蔵庫覗いてきます」
姉と保健医の関係上、外食という選択肢はない。姉の性格上、宅配の何か、と言う選択肢も消える。
スリッパを突っ掛けて廊下を小走りに駆けていく姉の後ろ姿を見やって、フィロはふと、声を上げた。
「あ」
「え?」
「そういえば、冷蔵庫、何もなかったよ。今日金曜で、週末の買い出し直前だもん」
「あ」
姉が、そうだった、と言う風に溜息を吐く。
「……じゃあ、今からちょっとお買い物行ってくるから。先生、すみませんけど、フィロと待っててもらえます?」
「え、あたしが行くよ。ネロ姉こそ先生といればいいじゃん」
姉の言葉に、フィロは慌てて反旗を揚げた。が、姉は鹿爪らしく首を振る。
「ダメ。中学生が一人で出歩く時間じゃないよ」
「今時小学生だって、塾やら何やらで夜中までうろついてるよ」
「それは不可抗力でしょう? それにしたって危ないことに変わりないんだし、フィロはダメ。お姉ちゃんが許しません」
それを言ったら、女子高生の姉が一人で出歩くのも危険なのではなかろうか。
思ったが、普段人当たりのいい姉は、言い出したら譲らない。
渋々頷いたフィロに、姉がにこ、と微笑んだ。
「いい子でお留守番してて。先生、すぐ戻りますから、フィロのことお願いしますね」
そっちに頼む?
慌ただしく出掛けていった姉が閉めた扉を睨んで、フィロはそっと、息を吐いた。




「何か飲みますか」
学校の教諭。姉の恋人。
自分と無関係ではない、でも決して親密でもない。微妙な距離の間柄。
そんな相手と二人きりにされて、何を言えばいいのかも分からない。とりあえず家に上げ、リビングに通した保健医に、フィロは躊躇いがちに声を掛けた。
「お構いなく」
低い声が、流れるように届く。
保健医が家にやってくるのは初めてではない。両親が不在のためもあろうが、他人の家という緊張感は大して持っていないようだ。スーツの上着をソファの背に掛けて、保健医は勝手知ったる風に部屋を横切っていく。
と、その歩みが、壁際に置かれたチェストの前で止まった。
「先生、それ、好きですよね」
扉の近くに立ったまま言ったフィロを、保健医がちらりと振り返る。フィロは、保健医が見ていた先に視線を投げた。
チェストの上のフォトフレーム。
収まっているのは、数年前の家族旅行で撮った写真だ。フィロと姉が、何が可笑しいのか大きく口を開けて笑っている。
「お前の姉さん、今、こんな笑い方しないだろ」
珍しくて。
言った指先が、フォトフレームを軽く弾く。微かに揺れたフォトフレームが、フィロの方を向いた。そこに写る笑顔は、フィロがよく知っている顔だ。
大好きな姉。
自慢の姉。
憧れの、姉。

「……先生」
「ん?」
フォトフレームに視線を落としたまま、保健医が答えた。その背中を見つめながら、フィロはゆっくりと歩み寄る。
「先生って、ロリコン?」
フィロの言葉に、保健医が顔だけをゆっくりと振り向かせた。く、と笑い声が漏れる。
「ストレートだな」
「だって、その写真、お気に入りみたいだし」
数年前の写真。まだ子どもの自分たち。
揶揄する口調に、しかし保健医は気分を害した風でもない。
「ご期待に添えず申し訳ないが、ガキには興味ない」
「ネロ姉だって、先生から見たら子どもでしょ」
保健医が僅かに目を眇めた。その瞳を、じっと見据える。
「……どうしてネロ姉なんですか?」
挑むようなフィロの視線を軽く受け流して、保健医は元通り前を向いた。
「その質問には、答える意義を感じないな」
「え?」
「言葉で説明できる物だとは思わないし、言ったところで理解してもらえるとも思わない。大体、それを訊いてどうする?」
「どうする、って」
「応酬の挙げ句に『へぇ、そうなんですか』で終わる質問は、無駄だし、無意味だ。違うか」
「それだけで終わりにしたりしません」
「ふぅん?」
興味深げな声を上げ、保健医がフィロに向き直った。
チェストに凭れ、殊更に首を傾げてみせた長身が、フィロを見下ろしてに、と笑う。
「じゃあ、無駄は省く。何が言いたい。言ってみろ」
促され、ほんの刹那、フィロは息を吐いた。
「……一度、言っておこうと思ってたんです」
「何だ」
「ネロ姉に変なことしないで」




ヘーゼルグリーンが、僅かに細まった。それに合わせるかのように、唇が笑みの形を作る。
「……変な事って?」
「惚けないで下さい」
フィロはきっと保健医を睨み付けた。保健医が、やれやれという風に肩を竦める。
「最近の中学生は早熟だな」
「ネロ姉だって、高校生って言ったって、ついこの間まで中等部にいた一年生じゃないですか」
むっとして声を荒げたフィロの顎に、ふと、保健医の手が伸びた。
「……な」
ぎくりとして身を退こうとしたフィロを逃さず、その顔を覗き込んで、保健医はに、と笑う。
「嫉妬か?」
「え?」
ひやり、とした感覚を覚える。
しかし保健医は、そんなフィロに頓着する様子は見せない。
「可愛いねぇ。そんなに姉さんが好きか」
放り出すかのような手付きで、しかし存外に優しく、フィロの顎が解放される。手の甲で顎を拭おうとして、躊躇った。保健医の触れた場所に、触れたくない。
「……そうよ」
声が震えそうなのに気付いて、ぐ、と手を握り締める。
「大好きなお姉ちゃんなんだから。あんたなんかに、ネロ姉を好き勝手されたくない」
「あんただの好き勝手だの、とんだご挨拶だな」
「だって」
フィロは保健医に詰め寄った。
「分かってますよね。何かあった時、学校やめなきゃいけないのはネロ姉だし、傷つくのもネロ姉です。――先生だって学校はクビになるかも知れないけど、先生はもう大人だし、どこでもどうとでもやっていけるでしょ? でも、ネロ姉は、一体どうしたらいいんですか」
言いながら、頭の芯が熱くなる。
耐えられない。
この男がしたことのせいで、姉が。
「先生のせいで、ネロ姉の将来、台無しになっちゃうかも知れない。ネロ姉にそんなリスク負わせて平気な顔してるなんて、信じられない」
「そうだな」
醒めている。
そう感じるほどに熱のない保健医の声に、フィロは更に怒りを感じる。
「お前に言われるまでもなく分かってる。あいつは未成年、しかも同じ学校の生徒。不道徳極まりない」
「……分かってるなら、やめたらどうですか」
「それは出来ない」
「どうして」
フィロを見下ろして、保健医が、ふ、と溜息のように息を吐いた。
「ただの我が儘かも知れない。それでも俺は、あいつが欲しい」
「……最低」
吐き捨てて、フィロは顔を逸らした。玄関の扉が開いた音に気付いて、そちらへと向かう。
「あ、フィロ、ただいま。お腹空いたでしょ? すぐ作るからね」
買い物袋を下げた姉が、にこ、と笑う。その笑顔に胸を突かれる。
大好きなネロ姉。
自慢のネロ姉。
憧れのネロ姉。

ねえ、何で、よりによってネロ姉なの?




「フィロ?」
身を翻して階段を駆け上がったフィロの背に、姉の怪訝そうな声が飛んだ。振り返らないまま、フィロは自室へ駆け込み扉を乱暴に閉める。
最低。
扉に背を預け、その格好のままずるずると頽れる。床に座り込んでしまったところで、フィロは苦々しげに顔を歪める。
最低、最低、最低。
言葉だけは自嘲めいた事を言いながら、誇らしげに愛おしげに、笑みを浮かべた保健医。
思い出して、フィロはぐ、と自分を抱き締める。唇を噛んで、振り払うように頭を振る。
――それでも俺は、あいつが欲しい。
言った保健医の、その顔を見ていられなかった理由なんて、知らない。
――嫉妬か。
触れた指を振り払えなかった理由なんて、分からない。

触れられた場所を拭いたくなかった本当の理由になんて、絶対に、気付きたくない。
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