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美容院に行って来たのです。その時思ったことをSSにしてみました。
あまりに馬鹿馬鹿しいのでとりあえずこっちに。そのうちサイトに引っ越すかもです。


■内容■

バルアシェパラレル。
早い話が美容院ネタ。


ちなみに私の担当の美容師さんは女性です。でもね、手がね。ちょっと触ってたの。私の髪はちょっと長めです。
シャンプーしてくれた男性美容師がとっても上手だった。シャンプーだけあの人を指名したい。

+ + +


「お前、もうあそこ行くな」
唐突なその言葉に、アーシェはきょとん、と隣を歩くバルフレアを見上げた。
「……何? いきなり」
「いいから行くな」
「行くなと言われても」
アーシェは戸惑いながら後ろを振り返る。たった今出て来たばかりのそこは、美容院だ。
綺麗に切り揃えられた髪をさらりと揺らしながら、アーシェはバルフレアに視線を戻した。
「――髪が伸びたら、どうするの?」
「俺が切ってやる」
「あなたが? 出来るの?」
「為せば成る」
「適当なことを言わないで頂戴。嫌よ、この年になってぱっつんおかっぱなんて」
言って、アーシェは何やら不機嫌な表情のバルフレアの腕を取った。
「……付き合わせたこと、怒ってる?」
「いや」
「そうよね」
女性客の多い美容院で、待合いスペースの椅子に掛けたまま小一時間。その状況を嫌がる男性は多いだろうと推察されるが、バルフレアはそういったことを気にするタイプではない。むしろ喜んで付いてくるタイプだし、実際、付いていくと言い出したのはバルフレアの方だ。
「なら、どうしたの、一体」
重ねて問いかけると、バルフレアは横目でアーシェを見下ろして、それから殊更に溜息を吐いた。
「気に入らない」
「気に入らないって……髪?」
アーシェの髪は、ここ数年の間ずっと、肩に付く程度の長さで維持されている。今回も、少し伸び過ぎのように感じたそれをカットしてきたのだが。
「――切らない方がよかった?」
もしや、バルフレアは長い髪を好むのだろうか。アーシェが抱いたその懸念は、しかしあっさりと否定された。
「いや。似合ってる」
その答えにほっと息を吐いて、アーシェは首を傾げる。
「それなら、一体何が気に入らないの?」
再三のアーシェの問いに、バルフレアは如何にも嫌そうに顔を顰めて吐き捨てた。
「美容師」
「美容師って……アルシドさん?」
アルシドはここ数年来のアーシェの担当美容師だ。個性的な外見や癖のある口調は好き嫌いが分かれるところだが、美容師としての腕はいいので、アーシェは他の部分には目を瞑ることにしている。
「何故?」
「何故って、お前」
バルフレアがきっ、とアーシェを見下ろす。
「触り過ぎだろ」
「え?」
「髪切るときに、こう」
左右の長さを揃えるため、顔の横の髪を摘んで肩の前に軽く引き下ろすその仕草を、バルフレアが真似る。
「絶対、胸、触ってる」
「……触ってないわよ」
髪が背中に届くほどに長ければそんなこともあるかも知れないが、しかし、自分の髪は精々が肩だ。
アーシェは呆れたように言ったが、バルフレアは聞く耳を持たない。
「それにだな。何だあれ、マッサージ?」
「シャンプーの後にしてくれるわね」
「首だの肩だの、べたべたべたべた。何だあいつ、お前に気があるんじゃないのか」
「考え過ぎよ。ただのサービスじゃない」
「だったら断れよ。まだ19の身空でマッサージなんかいらないだろ」
「嫌よ。気持ちいいのよあれ。本を読んでると肩も凝るし」
「読むなよ」
「私に単位を落とせと言っているの?」
「必要なら俺がやってやる」
「そんなこと言って、まともにマッサージしてくれたことなんかないじゃないの」
む、と黙り込んだバルフレアに、アーシェはふぅ、と溜息を吐いた。
「……分かったわ。担当は、女の人に変えてもらう。それでいい?」
「出来れば店も変えて欲しいもんだ」
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