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+ + +
うわ。びっくりした。
私の名前。パンネロ。16歳。ラバナスタ出身。今は旅をしてて、オズモーネ平原を横断中。に、足を滑らせて崖から落っこちて、たまたまそこにあった岩棚に引っ掛かって事なきを得た。今ココ。
よし、私大丈夫!
いや、大丈夫じゃないよ!
待って待って待って? 狩りの最中だったんだよね。それで、私一人でも倒せるような弱いモンスターがいて、もうちょっとで倒せそう!と思って、ついうっかり、深追いしちゃったんだけど。
この崖、一人で登るのは無理だし。誰かが助けに来てくれるの待つしかないけど。みんな、結構ばらけてたよね。もしかしたら、私がいなくなったこと、気付いてないよね。
今ここにあるのは、武器と、ポーション。毒消し。あ、フェニックスの尾もある! ラッキー! ……って、それ、私がどうにかなっちゃったら使えないじゃん!
そのために狩りをしてたんだけど、だから分かってたんだけど、食料は、ない。
あれ。
これって、もしかしてピンチ?
……。
ヤバイ。
ヤバイヤバイヤバイ。
日も暮れてきたし。私、ここで夜明かし? 寝返り打った拍子にここから落ちちゃったらどうしよう! それよりご飯。お腹空いた。今まで走り回ってたんだもん。狩りを頑張ればご飯食べられる!と思ってセーブしなかったし! あ、セーブって保存じゃないよ。抑制の方ね。念のため。
あぁ、HPギリだし。MPないし。私、もうダメ、かも。
……。
……あれ。寝てた。
うわ、暗くなってる。今何時? 日が暮れたばっかり? 真夜中? それとも夜明け前? 分かんない。ていうか真っ暗で怖い。なんか、明かり、明かり!
あ、MP回復してる。そっか、眠ったからだ。それじゃ、ファイア!
……ファイア!
あれ。
なんか、楽しいかも。花火みたいで。
ファイア。ファイア。ファイア!
あはは、楽しくなってきた。
ファイアの炎で、一瞬だけ辺りが明るく照らされる。下の方は真っ暗闇で見えないけど、それで逆に怖くない。
うん、私、大丈夫だよね。
元々高いところ好きだし。崖から落ちた割には怪我もしなかったし。オズモーネは気候がいいから暑くも寒くもないし、だからうっかり眠っちゃっても全然大丈夫だったし。ご飯はないけど、お腹空いたらスリプルかけて眠っちゃえばいいし。眠ればMP回復するからこうやってファイア連発して遊んでれば暇つぶしになるし。
そしたら、みんな、絶対助けに来てくれる。
フランは耳がいいから、きっと私の気配をいち早く察知してくれる。
ヴァンは、空を飛んでるリヴァイアサンにまで来てくれたくらいだもん、崖に落ちてるだけの私なんて、きっと簡単に助けてくれる。
アーシェ様は、あんまり笑ったりとかしてくれないけど、でも本当はすごく優しい人だから、きっとものすごく心配してくれてる。
バッシュ小父様は、責任感のある人だから、みんなが疲れて眠ってたとしても、私を探そうとしてくれる。
バルフレアさんは。
バルフレアさんは──
「お嬢ちゃん?」
声がした。
ガリフの里で手に入れたばかりのファイラ、それが使えるのを思い出して、ファイアが花火ならファイラは火柱だよね!なんて盛り上がって、それを唱えてみた瞬間だった。
ごうっとすごい音がして、炎が舞い上がる。真上じゃなくて、崖の前、何にもない方を狙ったから、大丈夫だったはずだけど、崖の上から顔を覗かせてたバルフレアさんの顔が、びっくりしたように引っ込んだ。
「……バルフレアさん?」
呼ぶ。と、
「随分と楽しそうだな?」
ニヤ、と笑った顔が、ちょっとおっかなびっくりみたいな感じで、もう一度出てきた。
「遠くからでも見えたぜ。お嬢ちゃんの打ち上げ花火」
あ、なるほど。ファイアが、信号弾みたいな役目を果たしてたんだ。
「大丈夫か?」
バルフレアさんが手を伸ばす。
バルフレアさんは、何でもないみたいな顔して、でも一生懸命助けてくれる。
「……はい!」
私も、手を伸ばす。
大丈夫。
私は、大丈夫。
だって、
ほら、
+ + +
+ + +
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
お正月なので颯爽とここ更新しようとしたら、俺の妹がこんなに可愛いわけがない第12話に遭遇してしまい、見ていたら元旦が終わってしまいました。何たる失態。
大晦日、拍手ありがとうございました。
あれは去年一年の私への拍手でいいんでしょうか!
去年頑張らなかったので今年は頑張るとかは言わないけど(言えよ)、嬉しかったですありがとうございました!
+ + +
蛇足ながらタイトル。
「The night is long that never finds the day.」がそもそもの元ネタらしいんですが、これは誤訳されているという説もあるようで、すると意図が違ってしまうな、と思ったので、調べた中で一番短いのにしました。←
簡潔なのがいいじゃない。
うわ。びっくりした。
私の名前。パンネロ。16歳。ラバナスタ出身。今は旅をしてて、オズモーネ平原を横断中。に、足を滑らせて崖から落っこちて、たまたまそこにあった岩棚に引っ掛かって事なきを得た。今ココ。
よし、私大丈夫!
いや、大丈夫じゃないよ!
待って待って待って? 狩りの最中だったんだよね。それで、私一人でも倒せるような弱いモンスターがいて、もうちょっとで倒せそう!と思って、ついうっかり、深追いしちゃったんだけど。
この崖、一人で登るのは無理だし。誰かが助けに来てくれるの待つしかないけど。みんな、結構ばらけてたよね。もしかしたら、私がいなくなったこと、気付いてないよね。
今ここにあるのは、武器と、ポーション。毒消し。あ、フェニックスの尾もある! ラッキー! ……って、それ、私がどうにかなっちゃったら使えないじゃん!
そのために狩りをしてたんだけど、だから分かってたんだけど、食料は、ない。
あれ。
これって、もしかしてピンチ?
……。
ヤバイ。
ヤバイヤバイヤバイ。
日も暮れてきたし。私、ここで夜明かし? 寝返り打った拍子にここから落ちちゃったらどうしよう! それよりご飯。お腹空いた。今まで走り回ってたんだもん。狩りを頑張ればご飯食べられる!と思ってセーブしなかったし! あ、セーブって保存じゃないよ。抑制の方ね。念のため。
あぁ、HPギリだし。MPないし。私、もうダメ、かも。
……。
……あれ。寝てた。
うわ、暗くなってる。今何時? 日が暮れたばっかり? 真夜中? それとも夜明け前? 分かんない。ていうか真っ暗で怖い。なんか、明かり、明かり!
あ、MP回復してる。そっか、眠ったからだ。それじゃ、ファイア!
……ファイア!
あれ。
なんか、楽しいかも。花火みたいで。
ファイア。ファイア。ファイア!
あはは、楽しくなってきた。
ファイアの炎で、一瞬だけ辺りが明るく照らされる。下の方は真っ暗闇で見えないけど、それで逆に怖くない。
うん、私、大丈夫だよね。
元々高いところ好きだし。崖から落ちた割には怪我もしなかったし。オズモーネは気候がいいから暑くも寒くもないし、だからうっかり眠っちゃっても全然大丈夫だったし。ご飯はないけど、お腹空いたらスリプルかけて眠っちゃえばいいし。眠ればMP回復するからこうやってファイア連発して遊んでれば暇つぶしになるし。
そしたら、みんな、絶対助けに来てくれる。
フランは耳がいいから、きっと私の気配をいち早く察知してくれる。
ヴァンは、空を飛んでるリヴァイアサンにまで来てくれたくらいだもん、崖に落ちてるだけの私なんて、きっと簡単に助けてくれる。
アーシェ様は、あんまり笑ったりとかしてくれないけど、でも本当はすごく優しい人だから、きっとものすごく心配してくれてる。
バッシュ小父様は、責任感のある人だから、みんなが疲れて眠ってたとしても、私を探そうとしてくれる。
バルフレアさんは。
バルフレアさんは──
「お嬢ちゃん?」
声がした。
ガリフの里で手に入れたばかりのファイラ、それが使えるのを思い出して、ファイアが花火ならファイラは火柱だよね!なんて盛り上がって、それを唱えてみた瞬間だった。
ごうっとすごい音がして、炎が舞い上がる。真上じゃなくて、崖の前、何にもない方を狙ったから、大丈夫だったはずだけど、崖の上から顔を覗かせてたバルフレアさんの顔が、びっくりしたように引っ込んだ。
「……バルフレアさん?」
呼ぶ。と、
「随分と楽しそうだな?」
ニヤ、と笑った顔が、ちょっとおっかなびっくりみたいな感じで、もう一度出てきた。
「遠くからでも見えたぜ。お嬢ちゃんの打ち上げ花火」
あ、なるほど。ファイアが、信号弾みたいな役目を果たしてたんだ。
「大丈夫か?」
バルフレアさんが手を伸ばす。
バルフレアさんは、何でもないみたいな顔して、でも一生懸命助けてくれる。
「……はい!」
私も、手を伸ばす。
大丈夫。
私は、大丈夫。
だって、
ほら、
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あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
お正月なので颯爽とここ更新しようとしたら、俺の妹がこんなに可愛いわけがない第12話に遭遇してしまい、見ていたら元旦が終わってしまいました。何たる失態。
大晦日、拍手ありがとうございました。
あれは去年一年の私への拍手でいいんでしょうか!
去年頑張らなかったので今年は頑張るとかは言わないけど(言えよ)、嬉しかったですありがとうございました!
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蛇足ながらタイトル。
「The night is long that never finds the day.」がそもそもの元ネタらしいんですが、これは誤訳されているという説もあるようで、すると意図が違ってしまうな、と思ったので、調べた中で一番短いのにしました。←
簡潔なのがいいじゃない。
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