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 道端に座り込んでいる姿が目に付いた。手の中には、今夜を過ごすための食事。皆の元に戻れば毛布もある。立ち尽くすアーシェに、バルフレアが気付いた。
「やめておけよ」
「え?」
「ろくでもないこと考えてただろ」
「ろくでもないなんて。今、私が、確実にできることよ」
「それで? 目の前の、片手で足りる何人かを助けて、あんたが飢えて凍えようってわけか」
「……いけない?」
 アーシェはバルフレアを睨んだ。が、バルフレアは取り合わない。
「安い同情振りまくのは簡単だがな。それはあんたのすることじゃない」
「でも、彼らの今の境遇は、私に責任があるわ」
「見誤るなよ、お姫様。確かに、あんたはあいつらを救えるさ。でも、それは今、一口齧ればなくなっちまうようなパンを与えることじゃない。分かってるだろ?」
 言って、バルフレアが歩き出す。アーシェは、後ろ髪を引かれながらも後に続いた。
「……今の私には、何もできないの?」
 先を歩く背中に呟く。バルフレアが、軽く肩を竦めた。
「祈れよ」
「え?」
「あいつらのために祈れ。新しい明日が来ますように、てな」



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この一年、大変お世話になりました。
皆様どうぞ、よいお年を。
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