忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

一日遅れのバレンタインネタ。


■内容■

バルアシェ現パラ。
いつものバカップルな二人じゃなくて、高校生かな。
バルフレアを崩すなと言われた傍から崩した。←

【初音ミク】チョコレートは人体に対してこんなにも危険!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9679191
紹介されていたこれを見てうっかり書いてしまったんだ。


+ + +

以下参考サイト。

・チョコレートは人体に対して以下略
http://blog.goo.ne.jp/longbacation_ryota/e/7e584902b36209e45926ebfce46d1a1a
多分スレがどこかにあるんだろうけど見つけられなかった。
ググって沢山出てきた中から物色。

・奈良観光サイト内
http://urano.org/kankou/topics/hasedera/index.html
何で奈良かというと、こういう切り返しをしていたのを以前漫画で読んだので。
でも2月14日でググっても見当たらないんだけど、メジャーではないのか、な?
私も実際に行ったことはないし、詳細も知りませんが。←

+ + +


「よ、会長さん。邪魔してるぜ」
アーシェが生徒会室の扉を開けると、そこには先客がいた。否、正確には闖入者、だろうか。
安っぽい人工皮革のソファに寝そべり、顔の上で漫画雑誌を捲りながら、闖入者は優雅にひらりと手を振ってみせる。
「……バルフレア。あなた一体、ここで何をしているの?」
バルフレアは生徒会の役員ではない。生徒会に用があるとも思えない。
当然の質問を発したアーシェに、バルフレアはソファに寝そべったまま、すい、と窓の外を指差した。
「あれ」
「何」
「見てみろよ」
自分で立ち上がる素振りなど、欠片も見せない。
怠惰な態度に呆れつつも、窓辺に近寄り校庭を見下ろす。校門に、数十人規模の女子生徒の群れが見えた。僅かばかり窓を開ければ、彼女たちが今この部屋にいる男の名前を口にしているのも聞こえる。
「──大層な人気ですこと」
バルフレアは、どうやら彼女たちから身を隠しているらしい。
窓を閉めながら、皮肉げに言ってやる。と、バルフレアは殊更に溜息を吐き、広げたままの漫画雑誌を胸に置いた。
「持て囃されるのは吝かじゃないんだがな。今日ばかりは勘弁して欲しいぜ」
「どうして?」
「どうしてって。今日が何の日か知ってるだろ?」
言われて、アーシェは壁に掛けてあるカレンダーに視線をやる。
「2月14日ね。奈良長谷寺のだだおしの日だわ」
「は?」
アーシェの口にした耳慣れない言葉に、バルフレアは胡乱げに眉を顰めた。
「ナラハセデ……何だって?」
「知らないの? 東大寺二月堂のお松明と並ぶ、大和における代表的な火祭りよ。旧正月の2月8日から七日間、新年を迎える修正会に続いて行われる修二会の締めくくりとして、」
「分かった分かった。分かんねぇけど分かった」
百科事典ででも調べたのかと思うような流暢な説明を、バルフレアは手を振って制した。慌てたその様子に、アーシェがくす、と笑みを漏らす。
「冗談よ。バレンタインでしょ?」
「お前の冗談は分かりにくい」
「もらってあげればいいのに。真偽の程は知らないけれど、チョコの数は男のステータス、とも言うのでしょ? そのために普段、愛想を振りまいてるのじゃないの?」
肩越しに窓の外を振り返りながらアーシェは言う。と、体を起こしてソファの背もたれに肘を載せたバルフレアが、不意に声を落とした。
「お前、知らないのか?」
「何を?」
「チョコレートは、人体に対してとてつもなく危険だってことをさ」
アーシェは瞳を瞬かせた。
チョコレートに含まれるポリフェノールやら何やらが健康によい、という話なら、耳にしたことがあるが。
「初耳だわ」
「じゃあ教えてやる。これは、ラットを使った実験の話なんだが」
バルフレアがちょいちょい、と指で招く。ソファの近くに歩み寄ったアーシェに、バルフレアはひそ、と囁いた。
「溶けたチョコレートの中にラットを入れると、その致死率は87%にも及ぶそうだ」
「──え?」
溶けて液状になったチョコレートの中にラットを入れれば、それは溺死するだろう。
からかっているのか。思い、アーシェはバルフレアを見たが、その顔は至極真面目だ。
「それだけじゃない。チョコレートを食べた人間の200年後の生存率は、ほぼ0%。また、チョコレート摂取の際チョコが気管に入ると、咳嗽反射が起こり、最悪の場合死に至る」
「……あの。バルフレア?」
「まだあるぞ。板チョコを食べながら自動車を運転した場合、重大な人身事故が発生する恐れがある。米国では、チョコレートの入ったコンテナが倒壊して、その下敷きになって死亡した事例も」
「バルフレア」
呼んで、アーシェは深々と息を吐き出した。
「……あなた。どうして、素直にチョコレートが嫌いだと言えないの?」
「誰もそんなことは言ってない。いいか、チョコレートは人体に対してこんなにも危険なんだ。だから俺は、自衛策として」
「そうね、えぇ、分かったわ」
尚も言い募ろうとするバルフレアを、アーシェは首を振って制した。そして、バルフレアの鼻先に、ずい、と紙袋を突き出す。
「だったら、私がこれを渡しても、変な誤解はしないわよね」
「……何だこれ?」
「決まってるでしょう? チョコレートよ」
紙袋の中を覗き込む。袋の底に、可愛らしいラッピングの小箱。
バルフレアは、目を丸くしてアーシェを見上げた。アーシェの口の端が、く、と上がる。
「本当、チョコレートって危険よね。25年間保存されたチョコレートは大変有毒でしょうし、バレンタインチョコを作る際に火傷をした人の85%は、チョコレートがなければ火傷はしなかったと言うと思うわ」
「……そう。そうだろ? 危険だよな? 全くお前、こんな危ねぇもん人に寄越すなよ」
アーシェに同調し、バルフレアは殊更に笑った。
と、アーシェと視線がぶつかる。その視線をふい、と逸らされて、アーシェの頬が微かに赤いことに気付く。
「……なぁ」
「何」
窓際に戻ったアーシェはこちらを見ない。バルフレアは、指先でこめかみを掻いた。
「……これは、ちゃんと食うから」
アーシェが、ゆっくりと振り返った。
その唇が、くすりと綻ぶ。
「殺人者に贈るには、随分と甘い言葉だわ」
PR


[1015]  [1014]  [1013]  [1012]  [1011]  [1010]  [1009]  [1008]  [1007]  [1006]  [1005
* * *
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
Archives

Search in blog

* * *
* * *
* * *
忍者ブログ [PR]
| Designed by A.com | Graphics by *05 free photo & Simple Life